June bride (6月の花嫁)
ジューンブライドになられた、二人のお衣装をご紹介しながら
オーダーや、リメイクをお考えの皆様の参考になるような
説明をしていこうと思っています。
お一人目のMさまは、ドレスリメイクのお依頼です
スタートは、
お母様がお召しになったウエディングドレスをリメイクできますか?とのことでした。
生地も傷んでいるし、無理ならば、違うドレスをオーダーしますとのことでしたが
とりあえず、ドレスを拝見せていただきお話をお伺いすることに。
今から30年以上は、経っていると思われるドレスです。
お母様のお母様(ご本人のおばあさま)が、縫われたとのこと。
その当時では、参考になるウエディングドレスのデザインも数なく
すべてにおいて、大変だったろうなと
しばらく見とれていました。
ボディーは、チュールレースでスカートは、シルクシャンタン
生地的にはいいものですが、越年の傷み、にシルクの変色シミ
お母様とお嬢様の体格差
ご希望のデザインのテーマは、シンプル 袖付き トレーンあり etc
う~う~ん・・・?
即答は避けて一度お預かりし、アトリエのみんなで検討することに
大きな問題は、シルクのしわ
一か所大きなシミ、
早速クリーニング業者さんに来ていただき相談
シミ抜きは、出来るけれどそれなりの料金がかかる
新しい生地を買った方がいいと思いますよと言われ
確かにすべて1から作った方が仕事は、しやすい
ほどく手間と修繕しながらの縫製
ドレスを前にやっぱり無理かと、考え込んでいると
襟の手まつりの細かな糸目に気が付きました。
おばあさまは、ていねいに、ていねいに、工程的にも最後の仕上げに近付いてきたところできっとこのドレスを着られるお嬢さまのことを思いながら、縫っておられたんだろうなと
思うい 生かしたい
次につなげたいと、思ってしまいました。
それからは、パタンナーや、縫製のメンバーだけでなく
あのクリーニング屋さんに無理を言い
一か所のシミだけでなく黄変や、しわも出来るだけ目立たないように短時間で仕上げてもらいました。
余談ですが、京都には着物文化のおかげか、修復、染その他、特殊な技術を持った職人さんたちが多くいらっしゃいます。
長年このお仕事が続けられるのは、その方たちのお陰でもあります。
そんな技術も何かの折に紹介させていただきますね。
いよいよ仮縫い
仮縫いは、ケースバイケースで
気になるところを確認させていただきます。
仮縫い回数が増えるとお忙しい方には、負担になりますし、価格も上がってしまいます。
出来るだけ短時間で、出来上がりのイメーが、想像できる範囲の仮縫いで済ませられるよう一番緊張する時間です。
サイズがあっているかと
一番印象の変わる、デコルテラインの
確認です。
袖の長さは、七分丈で確定、写真でも気になる
袖山が下がっています。
正しい位置に修正します
トレーンのチュールスカート以外は
仮縫用の生地で仮縫い
本番のシルクサテンは
この時期クリーニング中です。
その他レースの位置
裏地のスカート丈
細かな部分を確認していきます。
余談ですが仮縫い時には、
当日、着用される
ファンデーション
ブライダルシューズ
パニエ
この三点は、必ず着用して
いただきます。
どれ一つ変わってもドレス丈が
変わるんですよ。
縫製
仕上げと途中レースがどうしても足りなくて細かく接ぎたしたりしながらも順調に進み、最後の仕上げです。
シルクシャンタンの残布かき集めて作た
クルミボタン真っすぐに丁寧に付けます。
完成したのがこちらです。
最初のシルエットが、ギャザースカート
Aラインに変えたことで
ずいぶんすっきりとした印象に
生地がなかったからとは、思えないリメークです。
気に入っていただけるか。いつもドキドキの最終フィティングも無事終わり
パニエや、ベールの付け方をご説明して
納品させていただくことができました。
おばあさまは、ご健在でドレスの仕上がりを一番喜んでくださったそうです。
アトリエのみんなもその一言が何よりの喜びでした。
きっと素敵なお式になっているだろうなと想像しています。
今回のスケジュール
2月中ごろスタート
3月中頃採寸デザイン画提案
3月末仮り縫い
4月中旬納品
お仕事が大変お忙しく
最短納期で仕上げさせていただきました。
本来ならば採寸~最低2ヵ月ぐらいですが
ご希望をお聞かせいただけばそれに沿ったご提案をいたします。
Comments